ジゴワットレポート

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映画とか、特撮とか、その時思ったこととか。

娘に「ブタさん」と言われたくなくてダイエットを始めたら1ヶ月で6キロ痩せられた

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まだ0歳の娘がいつ喋り出すかと楽しみにしている毎日だけど、先日、同僚から「娘にブタさんと呼ばれてしまう」という話を耳にしてしまった。

 

その同僚は特別太っている訳ではないが、確かに痩せてはいない。

どうやら結婚当初に比べるとかなり太ってしまったらしく、奥さんがそれをちょくちょく家庭内でネタにするので、その影響からか娘にブタ認定されてしまったとのこと。

もちろん、おもしろ半分でのブタ呼びだとは思うが、彼の心情を思うと笑うことはできない・・・。

 

かくいう自分も、独身時代に比べたらゆうに10キロ以上は太ってしまった。

嫁さんの手料理が美味しすぎるという惚気もあるにはあるのだが、もはや「幸せ太り」の言い訳も賞味期限切れである。

 

娘にブタと呼ばれたくない・・・!

その一心で、アラサーにして人生初のダイエットに挑むことにした。

 

といっても、いざ調べてみると、ダイエットのやり方はその情報が明らかな供給過多に陥っていて、もはやどれが正しいのか・自分に合っているのか、さっぱり分からない。

だから、取りあえず出来そうな範囲でやってみることにした。

肉体的にも、精神的にも、出来そうな範囲で。もしかしたらやり方が間違っているとか色々あるかもしれないが、取りあえず結果は出たので良しとする。

 

 

●ウォーキング

雨の日と仕事の飲み会の日以外は、夜にウォーキングをしている。最低でも30分くらい。

ランニングの方が痩せそうだけど、万年文化部だった自分にとって「走る」ことはあまりにもハードルが高い。無理なものは無理だ。

ラジオをDLして聴けるアプリをいくつか用意して、それを聴きながら歩くと、結構楽しい。

 

●間食禁止

仕事はデスクワークが多いので、ついついお菓子を口にしてしまう。これが太ってしまった一因でもある。

なので、自分を何度も言い聞かせながら全面禁止にした。コーヒーのミルクも絶った。

休日にどうしてもお腹が空いて口寂しくなった時は、いりこを食べた。

 

●食生活の改善

ダイエットについては完全なド素人だが、とにかく摂取カロリーを減らす行為そのものに間違いはないだろう、と。

なので、朝ご飯に低カロリーのチキンサラダ、昼は普通のメニューをそれ以前の8割ほどの量、夜はほとんどを鍋にした。

鍋を週に4回ほど。嫁さんに提案したら、むしろ調理が楽だと喜ばれた。

鍋はとにかく野菜をたっぷり、お肉少な目。気に入った鍋のだしをローテーションすれば結構飽きない。

 

●半身浴

女子力を上げる意図は全く無いのだが、家でダラダラとスマホをいじる時間が多いので、「どうせスマホをいじるなら」と風呂に浸かりながらやることにした。ジップロック万歳。

半身浴自体にカロリーを消費する効果はほとんど無いとのことだが、目的は代謝を上げること。おかげで、発汗量が始めた頃より格段に増えた。

ウォーキングの効果が少しでも大きくなっていたら嬉しい。

 

 

これらを続けるだけで、1ヶ月で約6キロも落ちた。スーツを着た感触が全然違う。

自分でもびっくりするほど痩せたので、リバウンドが怖い。

でも、とにかく精神的な負担を自分にかけすぎないように意識してきたので、いきなりガーッと戻ることはないと信じたい。

 

まあ、まったく身体に気をつかってこなかった人間がいきなり始めたので、初期ボーナスみたいな感じだとは思っている。本番はむしろここからだろう。

 

引き続き、プレッシャーにならない範囲で上記メニューを継続していきたい。

娘にとって、顔はともかく、それなりにかっこいい父親でありたいのだ・・・。

 

 

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『怪獣保険』を大真面目に検証。怪獣に壊された家屋に火災保険からの保険金はおりるのか?

「シン・ゴジラ」ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2016 クライマックスver.

 

その昔、損害保険の営業マンをやっていたので、それでいて特撮が好きということで、ゴジラウルトラマンを観ていると毎度思うのが「これって保険おりるのかな・・・」というやつ。

 

数日前から久々に初代『ウルトラマン』を1話から観ているのだけど、3話にてネロンガが豪快に火力発電所を破壊していて、ついつい「うわー、損害やべぇぞこれ」などとボヤいてしまったり。

まあ、そもそもが野暮なツッコミではあるのだけど、シミュレーションも兼ねて「もし怪獣が暴れ回る世界だったら損害保険はどう扱われているのか」について、営業マン時代に身に着けた知識を総動員して大真面目に考えてみたいと思う。

 

図解 損害保険システムの基礎知識

図解 損害保険システムの基礎知識

 

 

大前提として、損害保険(自動車保険や火災保険)には漏れなく「免責事由」というのが決められており、これに該当するものは支払われない決まりになっている。

 

例えば「わざと破損させるのはダメですよ」とか「酒に酔った運転時の事故はダメですよ」とか、契約時に配布される約款というものにこれでもかと細かい字で書かれている。

ということで一般の火災保険の「免責事由」を見てみると、怪獣災害に関係しそうなのはこの辺り。

 

第5条(保険金をお支払いしない場合)

当会社は、下表のいずれかに該当する事由によって生じた損害または下表のいずれかに該当する損害に対しては、保険金を支払いません。

 

(中略)

 

7.地震もしくは噴火またはこれらによる津波

 

住まいの保険 ご契約のしおり | カタログビュー

 

こんな感じで、火災保険は基本的に「天変地異では支払いません」というルールになっていて、別途保険料を払って地震保険を契約すれば、そのルールを無効化ことができる(=地震やそれによる津波等の発生時に支払えるようになる)、というシステムになっている。

だから地震保険単体の商品というのは一般向けには無くて、あくまで火災保険に上乗せで付けることができる、という整理。

 

ウルトラ怪獣 ビジュアルブック (ぴあMOOK)

 

ではここで問題なのは、怪獣が暴れて家屋を破壊するのは果たして「地震もしくは噴火またはこれらによる津波」に該当するのか否か。

 

言葉通り捉えるなら答えはNOであり、前述の「保険金をお支払いしない場合」には該当しないという結論になる。

ということで、この前項にある補償内容(保険金を支払う場合)の、「建物の外部からの物体の衝突等による損害」か「その他偶然な破損事故等による損害」あたりが適用され、支払われるのではないかな、と考えられる。

なので、通常の火災保険なら、怪獣災害への備えは大丈夫だ。

 

とはいえ、ウルトラマンゴジラの世界では割と当然のように怪獣の存在が認知されているパターンが多く、そのための防衛隊が国際的に組織されていたり、ゴジラ専門の対策本部が編成されていたりする。

つまり、怪獣が出現することが日常的に起こり得る災害のひとつとして捉えられている可能性が高い。

 

上で引用した約款はあくまで「怪獣がいない現実世界の話」なので、おそらくこの手の怪獣が認知済みの特撮作品の劇中では・・・

 

7.地震もしくは噴火、怪獣やそれに類する巨大生物による損害、またはこれらによる津波

 

・・・といった内容になっているのではないだろうか。

つまり、免責事由(保険金をお支払いしない場合)に「怪獣災害」が組み込まれていて、その上で「怪獣保険」がまるで地震保険のように存在している。

追加の保険料を払い、通常の火災保険に上乗せして契約する形になっているのではないかな、と。

 

 

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ただし、怪獣が特定の科学者によって人為的に操られているケースや、国家間の戦争兵器として用いられている場合等は、これに類しない。

破壊活動を目的としている場合は損害保険の必須支払要件である「偶然性」に欠けると判断されるだろうし、戦争や外国の武力行使はそもそもの免責事由に定められているからである。

補足として、「戦争」が一律でダメなので、宇宙人が攻めてきた場合も支払は難しいだろう。

 

よって、例えばゴジラが海から出てきて街を破壊した時に、通常の火災保険に上乗せして怪獣保険に加入していれば破壊された家屋に保険金は支払われる。

が、一方で、バルタン星人のように地球を侵略しようとした異星人によって家屋を破壊された場合は、「戦争」やそれに類するものと判断され、保険金はおりないものと思われる。(前述の約款の例のように、「戦争」の欄に「異星人による侵略等」といった文言が付け加えられていそう)

 

ゴジラウルトラマンの「あの世界」に辿り着くまでに、おそらく保険業界はかなりの四苦八苦を経験していくのだろう・・・。

 

怪獣保険がしっかり業界に根付くまでの流れはおよそ想像できる。

仮に怪獣保険があったとした場合、それに一番近いのは前述のとおり地震保険だが、これは大正や昭和に起きた震災で火災保険が役に立たなかったことを受けて国が法で定めて行ったものであり、おそらく怪獣災害も同様の流れを経ていくと思われる。

実在の「地震保険に関する法律」のように、「怪獣保険に関する法律」が定められるのだろう。

 

あ、でも、最初の引用のように怪獣災害は現状では想定されていないので、怪獣が出現したら保険会社は保険金を支払うしかなく、程なくして怪獣災害を「保険金をお支払いしない場合」に追記し「怪獣保険」を追加する商品改定が行われるのだろう。

それまでは保険金を吐き出し続けなければならず、保険会社は想定外の収支バランスに頭を抱えることになるのかな・・・。(上には「異星人からの侵略は保険対象外」と書いたけれど、これも事例が頻発するのなら、国の主導で何らかのケアがなされるかもしれない)

 

 

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では、怪獣保険が仮にあったとしたら、その保険料(掛け金)はいったいいくらになるのか。

 

損害保険は過去何年の間にどれくらい保険金請求があったか(災害が起きたか)を統計的に処理し、そこから保険料を設定している。

大雑把に言えば、めちゃくちゃ大きな地震が起きてしまえば後々保険料は上がるし、何百年も全く起きなければ安くなる。危険度が高いほど掛け金も高いという、至極当然のカラクリである。

 

とはいえ損害保険会社の持っている統計データは完全なブラックボックスなので、ネットで拾える数値でざっくりと当たりをつけてみたい。

 

www.tokiomarine-nichido.co.jp

 

例えば前述の東京海上地震保険は上のページで試算ができるが、東京都で木造建築の場合、1年間の保険料は3,260円。これを、火災保険にプラスして払うことになる。(割引制度は考えないものとする)

 

怪獣の全長などその規模にもよるが、人里離れた山奥や海底に出現し建築物に影響を与えないケースもある訳で、例えばここでは震度5以上の地震(とそれによる津波)を怪獣災害と仮定してみる。

 

www.tenki.jp

 

日本気象協会のデータでは日本における震度5以上の地震は過去6年間で118回。年間約20回という計算になる。つまり、「震度5以上の地震が年間20回ペースで発生する現状において東京都の木造建築だと年間3,260円の保険料」ということで、これを基に怪獣保険の保険料を計算する。

 

ウルトラマンの放送が1年間だったとして、年間で登場する怪獣は約50体(厳密には50回の災害、というカウント)。

年間20回の年間保険料が3,260円なので、50回なら8,150円だ。

 

これがゴジラ等の年に1回の映画だとすると、2ヵ所以上で怪獣がそれぞれ出現して最後に雌雄を決するゴジラVSシリーズをサンプルに累計年3回の災害発生として、こちらは年間490円。うーん、安すぎる・・・。

 

でも、持ち家を持っていたらウルトラマンの世界よりゴジラの世界に住んだ方が年間の出費が抑えられそう、ということが分かった。(ここまで計算しておいて今更だけど、怪獣が暴れたら震度5どころじゃない上に、保険料も災害頻度によって単純に倍化して良いものではないだろうな・・・

 

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最後に、怪獣と戦うウルトラマンが壊してしまった家屋について考えていたのだけど、こちらは考えれば考えるほどに保険から遠のいていく・・・。

 

現実問題として「警官が犯人追跡の職務中に窓ガラスを割ってしまうケース」が最も近いのかもしれなくて、即時強制と賠償の法的ロジックを調べたりしていたけど、そもそもウルトラマンって警察官でも何でもないという。

作品にもよるけど、正式な提携や交渉などはなくて、彼らは彼らの善意によって(勝手に)人間社会を守り怪獣退治をしてくれる。つまり守ってくれる行為そのものもある種の怪獣災害と同じ側面があって、しかしそれは「偶然性」に欠けるという捉え方もできるから、もしかしたら保険金がおりないかもしれない。

 

「こっちは怪獣が出てきた時に踏み潰した家屋で、契約者は怪獣保険に加入していたので支払われます。しかしあっちはウルトラマンが怪獣を意図した方向に投げ飛ばした際に潰れたものですので、たとえ怪獣保険に加入していても偶然性を満たさないとして補償対象外です(ウルトラマンに求償することは出来ないので)」、なんてことになったら悲惨すぎる・・・。

 

まあ、そもそも「ウルトラマンの人格をどう定義するのか」「怪獣によってはこちらも自らの意思で破壊を行う場合がある」「巨大生物の巨大の定義ってどこから?」「緊急時に誰がその記録を正確につけるのか」といった根本的な問題が山積みなのだけど、ぜひその際は日本政府がウルトラ警備隊としっかり折衝を重ねて損害賠償に備えた法的ケアをしてくれることを期待したい・・・。(ちなみに、歴史上「宇宙人誘拐保険」というものは実際に存在し、売り上げを記録したらしい)

 

ウルトラマンも勝手に守ったら守ったで逆に攻め立てられる、そんな哀しい世界なのかもしれないですね。

「放っておいて!怪獣に自由に壊させて!保険がおりなくなる!」なんて声は、上げたくないなあ・・・。

 

※当記事は引っ越し前のブログに掲載した内容を転載したものです。(初稿:2016/2/16)

 

 

◆特撮関係の記事

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『シン・ゴジラ』と「こんなの〇〇じゃない!」の話

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シン・ゴジラ』の面白い点として、「こんなのゴジラじゃない!」という感覚があるのかなあ、と思うんですよね。

 

ゴジラといえば日本が生んだある種のスターとして世界的な知名度がある訳ですけど、それは戦争を連想させる恐怖だったり、怪獣プロレスの覇者だったり、怪獣と戦って結果的に人間の味方っぽくなったりと、それはもう世代ごとに様々なイメージがある存在。

自分はVSシリーズ世代だからか、敵の敵は味方みたいな感じで結果的に人間の味方っぽくなるイメージが強くて、割とゴジラには「正義の怪獣」に近いイメージを持っている方です。

だから、後のミレニアムシリーズも、割と「いけーゴジラ!やっちまえー!」みたいに無意識に応援することが多くて(まあ『GMK』はともかく)、後にオタクと自覚した年頃に54年の1作目を観て「うわっ!ゴジラって恐っ!」と驚いたほど。

 

 

シン・ゴジラ Blu-ray2枚組

 

 

シン・ゴジラ』は、そんな、各世代 ・・・もっと言えば個々人が持つゴジラのイメージを「進化前を登場させる」というアイデアひとつで一気に白紙に戻してしまうのが面白いと思っていて。

 

「こんなのゴジラじゃない!」という感情が、そっくりそのまま劇中の登場人物たちの「なんだこのヤバい生物は・・・」という戸惑いとシンクロするので、それまで持っていた「ゴジラのイメージ」が一旦無かったことになる。

生理的に嫌悪感を抱かせるためか血しぶきをまき散らしながら這いずるゴジラの姿は、間違っても「いけーゴジラ!やっちまえー!」と言いたい相手ではなかった。

 

これまでも「ゴジラの子供」としてミニラが何度も登場していて、リトルとか、ベビーとか、ジュニアとか、色々と「進化前」の姿は存在していたのだけど、ラブカから発想を得たというあの第二形態の見てくれは、それらとは全くもって異質な存在として強烈なインパクトを与えてくれた。

 

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2016(第二形態)

 

でも、そんな「こんなのゴジラじゃない!」があったからこそ、54年1作目の『ゴジラ』が与えた(先の戦争を想起させる)恐怖を、現代的な(先の震災を想起させる)恐怖として描き直すことに成功した訳で、本質的には非常に『ゴジラ』的なゴジラだったと思うのだ。

見事な本歌取りである。

 

「〇〇」に対して「こんなの〇〇じゃない!」と叫ぶのは、その「〇〇」への深い愛ゆえのことだとは思うが、しかしこの『シン・ゴジラ』のように、「〇〇じゃない」からこそ非常に「〇〇」的なゴールが待っている作品も少なくなく、実は「〇〇が〇〇っぽく見える」ことはさして重要じゃないのかもしれない、などとも思うのだ。(書いててこんがらがってきた・・・)

 

昨今で言えば、例えば仮面ライダーに対して「こんなの仮面ライダーじゃない!」という声が上がるのはもはや恒例行事の域に達しているのだが、そもそもの1号だってストレートにそれ単体でかっこ良いデザインかと問われたら自分としてはNOで、「バッタの怪人!?」という異形な姿にこそ意味があるのだと思っている。

アマゾンライダーだって、シリーズ4作目にして早速虫モチーフではないしね。

 

S.H.フィギュアーツ 仮面ライダーアマゾン Amazon.co.jp (R) EDITION

 

だから、これももう方々で言われていることだけど、仮面ライダーは特に「こんなの仮面ライダーじゃない!」事こそがアイデンティティとも感じていて、そういった愛ゆえの批難の声が上がることが、むしろ健全のような気がするのだ。

仮面ライダーっぽくない事こそが仮面ライダー」という鶏と卵のような話ではあるが、そういう「〇〇じゃない!」の部分に本質が埋まっているのかなあ、と。

 

だからまあ、つまり何が言いたいかというと、「こんなの〇〇じゃない」と一見したイメージや先入観で批難するのではなく、「本質的にはどうなんだろう」という視点を常に忘れないようにしたいな、と。

往々にして、「〇〇じゃない」を狙うのならば、中身は結構ストレートに「〇〇」ということが多い、ような気がする。

 

例えば、デジモンシリーズに『デジモンフロンティア』という作品がある。

 

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これも結構挑戦的な作品で、シリーズ恒例だった「人間の子供とデジモンのパートナー」という設定を変更し、「人間が直接デジモンに進化する」という驚きのアイデアが採用された。

まるで特撮ヒーローのように携帯機を操ってデジモンに変身するシークエンスは、当時中学生だった自分にとって衝撃的だったのをよく覚えている。

 

これもまた、「〇〇じゃない」作品だ。実際に、当時もそういう声が少なくなかっただろう。

ただ、シリーズが続いていく中で、「デジモンが戦う側でパートナーの人間が傍観するだけになってしまう」という問題が累積してきたと聞いているし、その解答として「人間が直接デジモンに進化して戦う(傍観者がいない)」が採択されたという流れなので、決して「デジモンらしさ」を撤廃した末の判断ではない、ということなのだ。

確かにパートナー要素は無くなったものの、シリーズの大切な魅力である「異世界でのジュブナイル冒険劇」はしっかり描かれた訳である。

 

余談だが、後の『デジモンセイバーズ』では「パートナーである人間が直接拳で相手デジモンを殴る」という、また別の形での解答が提示された。

 

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また、ポケモンでもかなり挑戦的な代物があって、それは、サンデーで連載された『ポケットモンスターRéBURST』という作品。

 

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これも『デジモンフロンティア』と似ているのだが、人間が「ポケモンが封印された石」を使ってそのポケモンと融合するというトンデモな設定が売りとなっている。

 

ポケモンは、アニメでも各種コミックスでも「パートナーとポケモンの信頼関係」が度々テーマとして扱われ、その関係が強固なサトシとピカチュウだったり、ポケモンを使い捨てるロケット団だったり・・・ という対比がよく用いられる。

この『RéBURST』でも、「ポケモンが封印された石」をどういうスタンスで使うかは作中のキャラによって様々で、道具のように使い倒す奴も少なくは無かった。

 

そういう意味で、非常に「ポケモン的」な作品だったとは思うが、どうにも致命的なレベルでお話が面白くなかったので、新境地を開拓するには至らなかった。

 

話をゴジラに戻そう。

 

ゴジラの定義自体を揺るがすという意味で『シン・ゴジラ』は非常に力強かったし、『ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃』のゴジラも、「戦争で死んだ人々の怨念の集合体」という他に類を見ない出自となっている。

そして、公開を控える『GODZILLA 怪獣惑星』のゴジラは、まさかの「植物ゴジラ」なのだ。

 

www.oricon.co.jp

 

 本作に登場するゴジラは、金属に極めて酷似した筋繊維の集積体で強い電磁気を発生させる特性を持つ体組織で、歴代最大となる膨大な質量を支えている。地球の生命淘汰(とうた)の果て、植物を起源に持つ超進化生命体として2万年の永き時を生きながらえた存在として、人類に立ちはだかる。 

 

植物のゴジラだなんて、まさに「こんなの〇〇じゃない!」と言えてしまう設定だが、この太ましいフォルムはギャレゴジが先に披露したし、前年のシンゴジが盛大にイメージを破壊してくれたので、割とファンからは好意的に受け入れられているのかな? ・・・という印象はある。

きっと、このゴジラらしからぬ植物ゴジラも、本編の核の部分には「まさにゴジラ」という要素があるに違いない。私は、そう考えている。

 

ゴジラ ムービーモンスターシリーズ ゴジラ2017

 

「こんなの〇〇じゃない!」の、その奥。『鋼の錬金術師』の「真実の奥の更なる真実」みたいなややこしい言い回しだが、それを常に覗きにかかるスタンスだけは、持ち続けていたいものである。

 

まあ、世の中には、マジで最後の最後まで「〇〇じゃない〇〇」もあるけれど。(台無し)

 

 

◆過去記事

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古沢良太脚本の魅力が裏目に出た『ミックス。』

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古沢良太の脚本構成の巧さには、『リーガル・ハイ』で感嘆し、『デート ~恋とはどんなものかしら~』でのめり込んだものだが、今作『ミックス。』や2年前の『エイプリルフールズ』など、どうにも自分が好きだった部分が削がれていったような寂しさがある。

 

リーガル・ハイ Blu-ray BOX

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彼の脚本は『バクマン。』で言うところのシュージンと同じで、完全に「計算して書く」タイプのそれ。

散りばめられたパズルを組み上げる様を魅せ付けるその面白さは、『キサラギ』がある意味最も分かりやすい。(『キサラギ』は後だしジャンケンの連続という構成なのだが、それがテンドンのネタとしていくところまでいってるのが面白いし、その到達はまさに計算された産物だと思っている)

 

 

また、実写版の『寄生獣』では、2本の映画で前後編という尺の中で原作の魅力をギリギリまで盛り込みつつ再構成することに成功しており、尚且つ『完結編』クライマックスのある主人公の行動が「火葬」とも取れる皮肉に満ちたアレンジには、当時ものすごく感動した覚えがある。

 

寄生獣 完結編 Blu-ray 通常版

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そんな、「パズルの巧さ」や「確かな交通整理力」を、理屈的なアレンジでまとめ上げる面白さが古沢脚本の魅力であり、毒気やパロディーにオマージュといったフックが多いのも特徴だといえるだろう。

同氏が書いた漫画『ネコの手は借りません。』も面白いので、オススメである。

 

ネコの手は借りません。

ネコの手は借りません。

 

 

そんなこんなで前置きが長くなったが、本題のミックス。はどうかというと、私はあまり楽しめなかった。

 

mix-movie.jp

 

といっても、「挫折した者たちの再起をかけたスポ根ドラマ」なので、そりゃあ、定石通りの面白さは確実に保証されている。

誰もが期待するカタルシスは、一定のレベルで訪れる。

 

が、『エイプリルフールズ』と同じように、古沢脚本の一番の魅力であったはずの「パズルの面白さ」が足を引っ張ってしまっている。

 

 

※以下、映画本編のネタバレがあります。

 

例えば、主演の新垣結衣瑛太は最終的に恋仲になる訳だが(この2人は恋仲にならない方が好みだったのだがそれは本当に好みの問題なので仕方ないとして)、話の流れとして、持って行き方が明らかに片手落ちなのだ。

 

クライマックス、運命の試合当日、仲間は次々と試合会場に行き、新垣結衣はメールを読みながら自分のふがいなさに涙する。

そこに、嫁と娘とやり直す大切な面接を犠牲にして、瑛太が駆けつける。

 

「迎えに来たぞ」

 

そしてキス。音楽ジャーーン!カメラぐわーーーっ!感動~~~~!

 

 

 

感動するかよ!!!!!!!!!!!!!!

 

いやね、あのね、この後の試合中に瑛太が真相を語るシーンがあるじゃないですか。「嫁と娘とは本当は終わっていた」というくだりを。

それ自体は分かる。だから新垣結衣とふたつの意味でペアになった。それは良い。

 

が、「試合に行くぞ」と王子様のように駆けつけたタイミングでは、その関係性のネタバラシは観ている側に提示されないので、瑛太「嫁と娘との仲を取り戻したいがために頑張ってきたけど急にそれを全部捨てて新垣結衣とキスするクズ男」にしか見えない。

 

こんなことってあるかよ!!!!!!!!!!下手か!!!!!!!!!!!!

なんだそれ!!!!!!!!!!

 

色々引っかかりながらもそれなりに楽しんで観ていたのに、ここで急に「え?瑛太クズすぎない?え?」ってなってしまって、その後の敵との対戦で盛り上がっていく数々のシーンにことごとくついていけない訳ですよ。

結果的に試合の途中で「そうじゃない」ことが本人の口から説明されたとしても、その前のシーンではずっと(観ている側は)裏切られているというのに。

なんでこんな作りになっているのか。分からない・・・。

 

「パズル的な面白さ」を求めた結果の、「実はこんな真相でした~」「なんだ~!じゃあガッキーと瑛太は安心してくっつけるね!」という反応を求めてのシナリオ上のトリックだとは思うが、完全に裏目に出ていたと言わざるを得ない。

 

ここが一番のがっかりポイントなのだが、その他にも、そういうキャラだと分かってはいるがあまりにも虐待が過ぎるので観てて不快な真木よう子とか、あまりにも倫理的に狂人のレベルに達している瀬戸康史のあれこれとか(演技は上手かった)、蒼井優の熱演はともかくあまりにも類型的すぎる中国人の描き方、偶然頼りすぎる居合わせ方、下品すぎて笑えない「おかずにしてた」のくだり、ピンチのためのピンチでしかない終盤前の展開など、目を覆いたくなる部分が多かった。

 

 

こんな・・・ こんな古沢脚本・・・ 観たくねぇ・・・ 観たくねぇよ・・・

 

 

まあね、とはいえね、ちゃんと盛り上がって、ちゃんとテーマに収束して、有名俳優がオールスターなので、一定の面白さはあります。

ありますよ。でも、古沢良太なら・・・ 彼なら・・・ もっとやれたんじゃないかと・・・ そんな哀しみと一緒だった119分でした。

 

挿入歌が流れながらの特訓シーンは、ベタながら良かったですね。 

 

 

 

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