ジゴワットレポート

映画とか、特撮とか、その時感じたこととか。思いは言葉に。

ぜひ菅田将暉主演で実写化して欲しい漫画『キッド アイ ラック!』の素晴らしさといったら

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キッド アイ ラック! 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

 

「ヤンキーが心機一転なにかに打ち込む」という作品は『SLAM DUNK』をはじめ沢山存在するが、そのひとつでありながら私が愛してやまない作品に、『キッド アイ ラック!』がある。

 

あらすじは特に複雑でもないので、Amazonの紹介文を引用。

 

笑われることが大嫌いな不良「やおきん」こと矢追金次郎は、日々買っていた恨みが原因で幼なじみの江崎久里子から笑顔を奪ってしまう。

そんな彼女の笑顔を取り戻すため、八方手を尽くしてきたやおきんがドン底から見つけたひとつの希望、それは『大喜利』だった・・・。

 

 

キッド アイ ラック! 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

キッド アイ ラック! 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

 

 

「幼馴染の女の子から笑顔を奪ってしまう」とありますが、詳細は、「喧嘩ばかりの主人公に恨みを持つ相手が主人公の幼馴染を強姦する」というもの。

PCだと上に貼ったAmazonのページから1話冒頭が試し読みできますが、中々にショッキングな幕開け。

 

「自分が喧嘩に明け暮れて恨みを買ったせいでこんなことになった」と後悔ばかりの主人公は、ありとあらゆる手段で幼馴染を元気づけようとするも、彼女はショックのあまり部屋からも出れなくなっていた。

そんな八方塞がりでドン底な主人公は、露店のテレビに流れていた大喜利を偶然耳にして、思わず大爆笑する。

 

「笑いには、大喜利には、人を笑顔にさせる力がある」。

そう思い立った主人公は絶望的な笑いのセンスをものともせず、幼馴染の笑顔を取り戻すために大喜利の世界に足を踏み入れる。

彼は偶然知り合った「スパゲッ亭アラビアー太」というラジオネームのハガキ職人(正体は超内気で地味な女の子)に弟子入りし、ライバル(?)である「お笑い研究部」のメガネこと森永とも戦いながら、ただただ一直線に突き進んでいく。

 

・・・という内容でブログに書くくらいだから自信を持ってオススメしたいのは当然として、なぜ「菅田将暉主演で実写化して欲しい」なのかというと、この漫画の構成協力を務めた町田一八さんのツイートを見ていただきたい。

 

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まさかの板尾創路による菅田将暉への主演オファー!・・・は、もちろん2017年7月現在全く現実のものにはなっていないのだけど、菅田将暉のあのキャラクターと演技力を考えると、本作の主人公にはおそろしくピッタリに思える。

良い意味で、彼は「やおきん」のような「馬鹿正直な馬鹿」が似合う。

板尾さん、マジでお願いします。映画でもドラマでも!

 

キッド アイ ラック! 2巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスSUPER)

 

話を内容に戻すが、「大喜利」と「漫画」というのは、決して相性が良いようには思えない。

 

あくまで想像として、どんなに上手い漫画家でも、「笑点」を漫画にした際に実際の「笑点」とどちらが面白いかといったら、間違いなく「笑点」だろう。

「大喜利」は、その要であるネタそのものも重要だが、場の空気や一瞬のテンポがとても大事だと思うし、抑揚や声のトーン、発音に至るまで、紙面で表現できないものばかりのように思える。

 

しかし、『キッド アイ ラック!』。

端的に言うならば、「漫画の中での大喜利が、ちゃんと面白い」。

これ、意外とサラッと読んでしまうのだけど、かなり驚異的なことだと思うんですよね。

 

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以前自分がツイートしたやつだけど、『キッド アイ ラック!』はまさにこれで、大喜利のネタ合戦が盛り上がった時の高揚感や、泥の中を進むような展開にハマってしまった時の絶望感など、こちらの感情をこれでもかと操作してくれる。

 

もちろん結末はここには書きませんが、最終話を最初に読んだ時は涙が止まらなくて止まらなくて・・・。

声を出して作中の大喜利に爆笑しながら泣いて、読み終えてゾクッと震えがくる感覚。

本当に面白い漫画を読み終えた時って、少し肩や手が震えませんか?

 

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掘り返したら読み終えた直後のツイートが出てきました。

本当に、こんな感じでした。

 

キッド アイ ラック!  (3)(完) (ヤングガンガンコミックススーパー)

 

しかも単行本はたったの全3巻なので、スパッと読めてしまうんですね。

後半が少し駆け足だったかな、という気もしますが、まさかの「あの展開」含めて、作者がやりたかったテーマはしっかり消化されたかな、と。

 

う~ん、書いていると本当に菅田将暉主演で観たくなってきた。

菅田くん、(未だに自分は「出世したな、フィリップ・・・」という、どの立場から物を言っているのかという謎の感慨から抜けられないのだけど)、金髪も良く似合うのよね。

 

そんなこんなで『キッド アイ ラック!』、「笑えて」「泣けて」「面白くて」「適度に短くて」「よく出来ている」、そんな漫画です。

あと、同作者の『TRIBAL 12』あたりもオススメです。こちらはもっと分かりやすい少年漫画寄りですけど。

 

Tribal 12 vol. 1

Tribal 12 vol. 1