ジゴワットレポート

ありがとう、『ジョン・ウィック:チャプター2』。本当に「ありがとう」。それしか言う言葉がみつからない・・・。

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大好きでたまらない映画の続編が公開されて、しかもそれが滅茶苦茶に面白い・・・。

こんなに幸せなことがあって良いのだろうか。

 

johnwick.jp

 

キアヌ・リーブス主演のアクション映画『ジョン・ウィック』の続編、ジョン・ウィック:チャプター2』

亡くなった妻からの最期の贈り物である犬と生活していた元・伝説の殺し屋ジョンは、些細なことからチンピラに犬を殺され、そのチンピラが属する組織を壊滅に追い込む勢いで復讐を繰り広げる・・・ というのが前作のストーリー。

ガンアクションに柔術を組み合わせた通称「ガン・フー」を武器に、撃っては投げ、締めては殺し、ジョンは孤独な戦いに身を投じていく。

 

そんな前作の旨味を真正面からアップグレードさせ、更にストーリーの面でぐいぐい攻めてきた続編『チャプター2』は、ファンの期待に十二分に応えられる傑作だったと思う。

いやはや、本当に、素晴らしかった。こんな続編が観られて幸せですよ、私は。

 

※以下、映画本編のネタバレがあります。

 

まずもって、私は前作の「アクション」はもちろんのこと「ストーリー」が大好きなんですよね。

よく「犬が殺されて復讐するキアヌ!」という感じで淡泊に語られがちな本作ですけど、その犬が持つ意味、そして前作の終盤で親友が殺されるという展開が、ジョンへの「逃れられない裏社会からの執拗な誘い」に思えてくるという・・・。

 

一部、引っ越し前のブログに書いた感想記事から転載。

 

blog.goo.ne.jp

 

でも私が思うに、これって実は、犬は犬じゃなくても良かったのではないか。

いや、犬は大事、ある意味「妻の化身」としてこの上なく大事なのは確かなんだけど、実は物語の焦点は“そこ”ではなく、「ジョンが裏社会に舞い戻る」事態そのものなんじゃないかと。

そもそもジョンはあれほどのスキルを持っているし、生ける伝説のように語り継がれているのだから、相当裏社会に濃く在籍していたはず。

そんな中で「愛する対象」である妻と出会い、引退する。しかし、中盤のマフィアのボス・ヴィゴの台詞にもあったように、「世界はお前を追いかけてくる」。

結局ジョンはまた裏社会と大きく関わってしまう。「愛する対象」を得てやっと背を向けられた空間に、舞い戻ってしまったのだ。

演出的に、妻との日々も半ば夢のようにしか描かれず(ちょっとのシーンとスマホの動画程度)、ひたすらアクションをするジョンばかりが観る側の脳裏に刻まれる構成になっている。

そうなると、うっすらと感じてくるのが、「もしかしてジョンは、裏社会の方がイキイキと生きられるのでは?」という疑念。

生活感の無いモデルハウスのような家で、妻を失い、犬を失い、長年の親友まで失った男が、引き続きそこで生きていくのは本当に幸せなのだろうか。

一方の裏社会では、殺し屋御用達ホテルの従業人にも、掟の番人にも、死体処理業者にも、挙句には警官にまで慕われている。

彼がその身を置くのに相応しいのは、果たして“どっち”なのか。もしかして裏社会の方が彼にとっての“正解”ではないのか。 

 

愛する女性と出会って裏社会から退いたジョンが、またもや裏社会の「におい」を嗅いでしまう一幕。

それが、前作『ジョン・ウィック』だったのではないか、と感じるのだ。

 

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・・・という観点でいくと、今作『チャプター2』はまさにドンピシャな続編だったと言えるだろう。

 

「全てを失うも裏社会には背を向け続けるジョン」は、掟を破ってまで復讐を遂げ、最終的にその裏社会に追われるという衝撃的な結末を迎えるのだ。

「妻の形見である犬」を失い、「愛車」も失い、「長年の親友」も失い、「妻と過ごした家」も失い、遂には「長年居続けた顔がきく裏社会」すらも失う。

前作の敵には「世界はお前を追いかけてくる」と言われ、今作の敵には「お前は復讐の中毒になっている」と投げかけられる。

この物語はどれだけジョンを孤独にして苦しめれば気が済むのだろうか・・・。

 

などと同情しつつも、その「追いつめられる中で奮闘するジョン」の信念と意地に、同じ男として惚れ惚れしてしまうから面白い。

防弾チョッキを着ているとはいえズタズタに撃たれて、刺されて、流血する腹を押さえながらも眼光は衰えない。

そんな、「生きざま」としか形容のしようのない「かっこよさ」にため息が漏れる。

 

アクションも前作以上に冴え渡っていて、特にロケーションの面で「絵になる」シーンが多かった。

クライマックスの鏡張りの美術館は、絵としても面白いし、ジョンの揺れ動く内面を幾重にも写すという意味でも興味深い。

序盤の地下空洞での戦いも適度なスモークが雰囲気抜群であり、街中でその辺にいた通行人がいきなり襲ってくるのも新鮮だ。

通行人が行き交う中でサイレンサーで撃ち合うシーンなんか、本人たちは命のやり取りをしているのにどうしようもなく笑ってしまう感じが最高である。

 

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劇中で「逸話は往々にして控えめに語られる」という台詞があったが、前作から何度か話には出ていた「鉛筆だけで殺す」シーンが実際に観られたのも良かった。

また、これまた前作に引き続く魅力ポイントである「裏社会」の描写もキレッキレだ。

懸賞金をかけるための登録方法が良い具合にアナログで判子がドーンと押されていたり、さっきまで争っていた2人が「仕事厳禁」のホテルバーで並んで酒を飲んだりと、フェティシズム溢れる設定面の数々がとっても小気味よい。

裏社会ドラマシリーズが動き出しているのも頷ける。

 

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こんなにも終始銃声が鳴りやまない映画は久々に観たというか、映画館で観ると本当に度重なる銃声で(良い意味で)耳が麻痺するような錯覚すらあり、こういう映画こそ映画館の音響で観たいものだ・・・ という感慨にも浸ることができた。

丁寧に組み上げられたアクションと、臆面なく「かっこよさ」「それっぽさ」を追求していくカットの数々、そして前作から恒例のクソダサ字幕の味わい深さ。

 

本当に、「ありがとう」としか言えない続編でした。

 

 

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